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ラ・ヴァレ

ラ・ヴァレ

LA VALLEE


制作・監督:バルベ・シュローデル
脚本:ポール・ジェゴフ、バルベ・シュローデル
撮影:ネストール・アルメンドロス
編集:ドニーズ・ド・カザビアンカ
音楽:ピンクフロイド「雲の影」
出演:ビュル・オジエ、ジャン=ピエール・カルフォン、マイケル・ゴサード、
   ヴァレリー・ラグランジュ、ジェローム・ボーヴァルレ
配給:日本スカイウェイ
1972/フランス/カラー/DV/100分

ピンクフロイド音楽、幻の映画がいま蘇る!

ラ・ヴァレ
ラ・ヴァレ
ラ・ヴァレ
ラ・ヴァレ
ラ・ヴァレ
処女の地「ラ・ヴァレ/谷」を目指して、未知なる狂気の旅が始まる・・・

ドラッグに溺れる男と女を描いた『モア』に次ぐ、バルベ・シュローデル監督長編第2作品。『モア』の死への旅立ちというテーマから、監督が次に選んだのは、ひとりの女性の生の歓びの発見に至る旅路を描き出す。

未開の地を舞台に、極楽鳥の珍しい羽根を採し求めていたパリのブルジョワ夫人は、若い冒険家たちと出会う。彼らの生き方に心惹かれた夫人は、探検隊とともに地図に空白を残した処女の地を目指す。夫人は富を投げうち、規則や制約から解放されてアダムとイヴのように裸になって秘境の谷、緑の楽園を旅していく。まるで彼女の肉体からはある神秘の力が発散されたかのようだった…。

撮影は、トリフォー、ロメール監督作品などで有名なヨーロッパ屈指のネストール・アルメンドロス。「西洋文明から最も遠い場所」オーストラリア領パプアとニューギニアの奥地でオール・ロケを慣行した映像は、土着民の原始的な祭礼をはじめ、幻想的な密林の表情を見事に描き出している。

ヴィヴィアーヌ役は、ジャック・リヴェットに見出され、才能溢れる数々の監督たちの作品に起用されたコケティッシュな表情で観客を魅了する『北の橋』のビュル・オジエ。ガエタン役は、『アイドルたち』に続きビュル・オジェと共演、野性味溢れる演技のジャン=ピエール・カルフォン。

音楽は、『モア』同様ピンクフロイドが担当。パリ郊外のスタジオで完成済みの映像を見て曲のアイディアを浮かべてレコーディング。その多彩な魔性のメロディは、永遠に俗世に戻れないような雰囲気を見事に演出。

日本未公開のまま35年の時が過ぎたが、虚無感漂う曲と映像は絶妙にシンクロ、そのメッセージ性溢れる作品は未だ色あせることがない、いま蘇る傑作だ!
STORY

ヴィヴィアーヌは、フランス領事と結婚している平凡だが幸福な若妻だった。ある日、彼女は趣味の骨董品蒐集のためにニューギニアに出かけた。山の小さな町で買い物をしていたとき、彼女はオリヴィエという青年に出会う。オリヴィエは、探検隊の隊長ガエタンとともに地図の上でも未だに空白の幻の土地にある谷を発見するため、旅に出ることを彼女に打ち明けた。強く好奇心を刺激されたヴィヴィアーヌは、同行することを決意する。探検隊は、必要最少限の荷物だけを持って勇気を武器のかわりに、凍てついた峠を越えて、未知なる暗い密林へと進んで行った…。
REVIEWS

「驚くべき現代性をそなえた素晴らしい旅の物語がこの作品だ」(パリ・マッチ誌)
「静謐に満ちた魅惑。簡潔至極にしてこの上ない美しさ」(ヌーヴェル・オヴァトワール誌)
「感嘆が劇場とスクリーンのどちらをも強く満たす」(フランス・ソワール誌)
「旅路の果てに見出された無垢の夢・・・。魔法の世界」(コンバ誌)
「この突飛な作品の持つ魔術的な力に魅了されてしまった」(エクスプレス誌)
モア

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MORE


監督:バルベ・シュローデル
撮影:ネストール・アルメンドロス
音楽:ピンクフロイド「モア」
出演:ミムジー・ファーマー、クラウス・グリュンバーグ、ミッシェル・シャンデルリ
配給:日本スカイウェイ
1970/ルクセンブルグ/カラー/DV/116分

地中海をのぞむ浜辺で戯れるふたり、刹那的な美しさがそこにある・・・

モア
モア
モア
ドラッグ、音楽、イビサ島…地中海を照りつける太陽と海を舞台に、セックスとドラッグによって破滅(と同時に静かに警告もする)へと向うカップルを描いた’60年代後半に盛り上がったサイケデリック・カルチャーをクールに退廃的に描き出した歴史的傑作。監督は、クロード・シャブロル、ジャン=リュック・ゴダールの助監督を経た『バーフライ』『運命の逆転』のバルベ・シュローデルの処女作。全編ファッション写真のようにフォトジェニックな映像の印象も鮮烈な撮影は、トリフォー、ロメール監督作品などで有名なヨーロッパ屈指のネストール・アルメンドロス。地中海の“サンジェルマン・デュ・プレ”とまで呼ばれるリゾート・アイランドとして有名なイビサ島の美しい風景、ナィーヴな音楽をも見事鮮烈に映像化。地中海をのぞむ浜辺で嬉々と戯れるふたりの映像は、さながら一編の詩のように幻想的である。エステル役は、緑の瞳に短い金髪、ボーイッシュなウェーヴに揺れ妖しい魅力を漂わせる『ポケットの愛』のミムジー・ファーマー。ステファン役は、ドイツ演劇界出身のクラウス・グリュンバーグが、この刹那的な愛の世界を好演。絶望的に美しいサウンドを創り出すのは、ミケランジェロ・アントニオーニ監督『砂丘』に続いて映画音楽を担当するピンク・フロイド。全編を支配する気だるい感覚に、妖しい旋律、虚無感溢れる曲で映像と絶妙にシンクロ。
STORY

ギラギラと照りつける太陽、そして紺碧の海。ここは別天地だ。ヒッチハイクの旅に出たドイツ青年ステファンは、イカサマ賭博師と知り合う。そして、彼に連れられピッピーのパーティで謎めいた魅力のアメリカ人女性と会い、一目で恋に落ちてしまう。エステルにマリファナを教えられ、陶酔の中で愛を交わす。翌日、地中海のイビザ島に渡ったエステルを追って、ステファンも島に着く。二人だけの生まれたままの姿で過ごす自由奔放な生活が始まった。だが、魔性のようなけだるい音楽が二人を麻薬の世界へと引きづり込んでいく‥‥。
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